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米国研修旅行でアップル本社を訪れる中学生たち=2024年3月、白鷗高校・付属中学校提供
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 記録的な円安が、中高生の海外修学旅行や短期留学に影を落としている。行き先を国内に変えたり、期間を短くしたりするなど、苦渋の選択をする学校も。コロナによる制限が終わったばかりの苦境に、関係者は頭を悩ませている。(滝沢貴大)

【まなviva!】(まなび場)

幼い子から人生のベテランまで。「学ぶ」をとりまく喜怒哀楽や最新事情を伝えます。

 公益財団法人「日本修学旅行協会」によると、調査に応じた全国の1744の中学・高校のうち、2019年に修学旅行や語学研修などの海外教育旅行をしたのは880校。コロナが落ち着いた22年は111校だった。

 一方、円相場は歴史的な円安水準が続いている。2020年の年初は1ドル=100円台だったが、今年の年初は140円台に。4月末には一時160円台をつけた。

 東京都立白鷗高校・付属中学(台東区)は、中高一貫校の強みも生かし、国際理解教育に力を入れてきた。その肝が、海外での修学旅行をはじめとした現地でのプログラムだ。

 中学3年生全員で米西海岸、高校2年生全員で東南アジアを訪れるほか、希望者はオーストラリアでの短期留学にも参加できる。現地での異文化体験や交流を通して、生徒たちに英語力だけではなく、「グローバルな視点」を身につけてほしいと願って実施してきた。

シンガポールに行くはずだったが…

 しかし、同校の池戸成記・統括校長は「コロナで休止していた海外プログラムを、ようやく再開できると思った矢先の円安で困っている」。プログラムの内容を見直さざるを得ない状況に来ているという。

 コロナ期間中も、現地の高校…

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